道楽の時間

得意科目はアニメと音楽です。

あの時、確かに我々はハルヒに狂わされた

 

涼宮ハルヒの憂鬱 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)

先日、ニコニコ生放送にてエンドレスエイト涼宮ハルヒの消失が放送された。

エンドレスエイト」と聞いて色んなことを思い出すそこのあなた。僕も同じだ。

アニメ版はほぼ同じ話を八回やるという実験的すぎる内容により多くのファンから賛否を巻き起こした。

 

それもそのはず原作では100ページにも満たないほどの内容であるにも関わらずここまで長くしたことにより我々は困惑していたのだ。制作陣によって、いやあるいは涼宮ハルヒの掌の上で我々は踊らされていたのかもしれない。

このことがニュースサイトにより取り上げられたり、ネット上でも「もしかして永遠にやるのか?」など不安がるファンや、騒動に転じて某漫画家の手により「のび太の終わらない夏休み」がpixivに投稿されたりと、あのエンドレスの夏は何かと騒がしかった。

 

 

さて、一つの作品でここまで話題になったわけだが。涼宮ハルヒシリーズは何をそこまで我々を夢中にさせたのか?いったいハルヒは我々に何をもたらしたのか?

 

その話にお付き合いください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 大ヒットしたアニメーション

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谷川流によるライトノベル。猪突猛進で不思議なこと大好きな涼宮ハルヒと彼女が設立したSOS団メンバーを中心に展開する日常とSFが混ぜ合わさった00年代の超大ヒット作品であります。

そのヒットの要因としては内容の面白さは当然ながら2006年のアニメによる要因が大きいだろう。

当時のハルヒの盛り上がりは凄まじかった。 フルメタルパニックAIRのアニメにより評価や実績を上げてきた制作会社「京都アニメーション」が担当し、クオリティーの高さにより日本全国のオタクを夢中にさせてきた。特にEDの「ハレ晴レユカイ」はSOS団の面々が曲に合わせてダンスを披露しこれがまた大きな話題を生んだ。

 

 

 

TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」ED主題歌 ハレ晴レユカイ

今でこそキャラクターが躍るアニメが多く存在するが当時としては非常に珍しく*1その曲単体でも人気となった。当時、休日の公園に行ったらハレ晴レユカイを流しながらダンスしてる人いたりで。。。あの頃子供の僕はそれが異様な光景に見えた。この次の年にニコニコ動画が出てくるわけですがいわゆる「踊ってみた動画」がたくさん投稿されたことからハルヒの人気の高さがうかがえます。ハルヒは知らないけど「ハレ晴レユカイ」は聴いたことあるよって人もいたし知名度が高かったんだろうな。

 

それ以外にもハルヒのアニメーションは他ではあまり見られない演出が多かった。

 

 

 

 

時系列の順番を変える

涼宮ハルヒの憂鬱 1 限定版 [DVD]

2006年のテレビ放送では原作における時系列をバラバラにして放映した。今思うとこれやったら訳がわけらなくて下手すると滑るかもしれないのによくやったもんだなあと。時系列が異なるとはいえ長編の途中に短編を挟んでいるからこれが長編の伏線の役目を担ったという見方もできる。

記念すべき一話はSOS団が文化祭に向けて作った自作映画のタイトル、「朝比奈ミクルの冒険 Episode 00ハルヒの世界観の説明もなしにいきなり映画が始まり最後に試写会の風景だったということがわかる構成。ハルヒなのに朝比奈さんがメインで困惑したり、チープな映画を見させられたりで多くの視聴者が「なんやこれ」と思ったのでは?

スタッフいわく超監督涼宮ハルヒ*2なら自分の映画を一話にもっていくのでは?とも考えたそうだ。

 

 

 

 

 

圧巻のライブシーン

涼宮ハルヒの詰合 ?TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」劇中歌集シングル?

12話の「ライブアライブ」は学園祭で参加できなくなったバンドメンバーの代わりにハルヒ長門が加入しライブをするお話。実際の演奏をリアルに再現したライブシーンのクオリティーの高さがこれまた話題に。ドラムのリアルな再現、演奏中のハルヒの表情*3などがかなり実際のライブらしく再現され、ひとつのクライマックスシーンとして描かれた。今でもアニメのライブシーンで良かった回は?と聞かれるとこれを挙げる人もいるんじゃないかい?

演奏された楽曲「God knows...」と「Lost my music」 の人気も高く動画サイトなどで弾いてみた動画を載せる人も大勢いた。当時の僕の周囲でギターをやっていた人たちもみんなコピーしてたなあ。

 

 

ハルヒのアニメがヒットした理由は今まで他のアニメではやってこなかったことに挑戦をしていたことが大きい。高い作画のクオリティーでライブシーンやダンスシーンをやるのだから人気が出るのも伺える。アニメでも漫画でも初めて見る演出や展開はわくわくするものです。

涼宮ハルヒを演じた平野綾さんやキョンを演じた杉田智和さんもこのヒットをきっかけに一躍人気者になった。

キャラクターソングも発売され、こちらも人気に。*4

 

 

 

 

 

アニメ終了の二年後。唐突にそれはやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

二期。。。そしてエンドレスの夏

 

エンドレスエイトの驚愕: ハルヒ@人間原理を考える

2009年春、唐突にハルヒ一期の再放送が始まる。今度はどうやら時系列順に放映されるそうで「おお、あれから三年経ったか。」なんてのんきなことを僕は思っていた。

しかしながらも途中でまさかの新作エピソードが導入。「笹の葉ラプソディ」原作でも今度の展開を読むうえで特に重要なお話だ。ついでに中学時代のハルヒが出てきてこれが可愛い。

放送当時は新作をやる告知も一切していなかったし、なおかつ次回予告もやっていなかったのでファンが非常に驚いた。この話の直前にテレビ和歌山が誤ってこのサブタイトルを番組表に掲載したことでより一層ファンは期待する。最速で放送される地域のホテルにファンが泊まり込んだりと当時のSNSを中心にして大いに話題に。まったくもって人騒がせなアニメだ。

当時の僕もTOKYO MXでの放送を見て「マジできたわ。新作やんけ」と感動していた。確かビデオで録画したのを三回くらい見ていた記憶。 

 

 

とにかく唐突に始まった新作によってまた全国のファンが盛り上がったのは間違いない。今後のエピソードでどこまでやるのか楽しみにしていたところで次のお話はエンドレスな夏でした。

 

 

エンドレスエイトとは?~

5巻収録の短編でタイトル通り夏休みをエンドレスにループする物語なのだがアニメでは絵コンテ・作画・演出・アフレコや一部のセリフが異なるもののほぼ同じストーリーを8週繰り返した。放送予定も明かされていなかったので当時はいつ終わるのかもしくは1クール繰り返すなどなどあの夏は話題が絶えなかった。

1週目でループに気づかずに問題が解決しないまま終わり、2週目以降はループには気づくも脱出することはできず終わるパターン。8週目でやっとループを脱出し夏休みを終えることができた。なんかもう終わった時は謎の感動がね。。。

エンドレスエイトが終わったあとは涼宮ハルヒの溜息(映画製作)が放送。しかしながらもこの一件で京都アニメーションの評判も落ちてハルヒのファンもかなりの数減ったようだ。

まあ、同じ話を8回することで悪い意味でも話題になってしまったのは否めない。ハルヒという巨大なコンテンツゆえに起こってしまった大事件だと言える。

 

 

 

(補足するとストーリーは同じだが使いまわしをせずに絵も書き直しされており、アフレコも各話ごとに収録が行われているので違いに気づきながら見てみるのも面白いかもしれない。主に杉田氏のアドリブなど)

 

 

 

 

屈指の名作。消失したハルヒ

劇場版 涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック

そして二期の放送が全て終わったあとに「涼宮ハルヒの消失」が劇場化の発表。

涼宮ハルヒシリーズの長編シリーズで特に人気の一作。映像で見たいという人も多くいたでしょう。

全国24劇場で上映され(のちに上映館は49にまで増加)一ヶ月で興行収入は7億円に達した。二時間以上の長編映画にもなり原作の内容を完璧に再現したと言える完成度だった。

 

 

 

 

~「涼宮ハルヒの消失」軽いあらすじ~

涼宮ハルヒの消失 通常版 [DVD]

12月16日

やたらとハイテンションなハルヒの思い付きでクリスマスにSOS団でパーティーをやることが決定した。この日は特に何も事件が起こらずに平和に終わった。

 

12月18日

朝、キョンのクラスに来るとハルヒがいない。「風邪引いたか」と思っているとその席の主に意外かつ凶悪な人物がいた。

 

そして、いなればならないハルヒがどこにもいない。古泉はクラスごといなくなっているし、朝比奈さんはキョンのことを覚えていないという。

 

残っているのはあいつ。「最後の砦」「絶対無敵防衛線」

SOS団の部室に行ってみるとそこにいた人物は。。。?

 

 

 

ハルヒにおけるひとつの到達点。超名作。

騒動の中心にいつもいる涼宮ハルヒがいないところから物語は始まりキョンは絶望に追いやられながらもハルヒを探す。

そして消失では欠かせない人物で実質この作品のメインヒロイン、長門有希の心情にスポットを当てた。

キョンSOS団への向き合い方も大きく変わった一作で、作中後半にて彼は一つの決意を新たにすることになる。

 

 

劇場版は僕も友人と観に行きました。当時はちょうど受験が終わって暇をしていたので高校生活最後の思い出として記念にしたのでしょうな。

作中では長門の心情を表した三つのジムノペディが使われこれが非常に良い演出で心にグッとくるのです。

OPの演出など見てみると「ハルヒが世界からいなくなった」ことを視聴者に強く訴えていて作中は序盤やラストを除いて終始シリアスな雰囲気が続く。

それでも最後のエピソードや物語が解決する様子はとても心が晴れやかになるような気持ちのいい終わり方だった。

総じて言えるのが登場人物の心情を表わすのがうまいなあというところである。表情に乏しい長門をよくあそこまで表現できたものだ。。。実質、消失は長門有希がメインヒロインだと思っていただいて構わない。

小説を読んでいるときも面白すぎて一睡もせずに読んだのが良い思い出だ。

エンドレスエイトで冷めてしまった人にも興味を持ってもらいたい名作です。 

 

 

 

 

 

 

 

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涼宮ハルヒはオタクに何をもたらしたのか?

涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版(64ページオールカラー特製小冊子付き) (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの消失」の劇場版以降「アニメの続編制作します!」なんて吉報は特にない。

原作小説も7年前に発売された「涼宮ハルヒの驚愕」を最後に続きはまた発売されていない。そもそもこの驚愕が出るまでにかなりの時間がかかった。何せ2007年に発売予定だったのが2011年に延期したもんだ、それこそが驚愕。驚愕のあとがきによれば「延期した理由は特にない。意味もなく何もできなくなって私生活にも支障が出るくらいでした」とのこと。いわゆるスランプだろうか?

その間に「涼宮ちゃんの憂鬱」や「長門有希ちゃんの消失」などのスピンオフも発売された。そういえば後者は完結しましたね。

 

 

今までに色々と騒動が起きたり、度重なる延期などもあったコンテンツだがニコ生のコメントを見ているとやはり今も人気が衰えないコンテンツであることが伺える。純粋に面白いというよりもハルヒの盛り上がり方は人々の注目を集めているのだと思う。それが良いことか悪いことはさておき普通にやらないことはハルヒらしい。

90年代から2000年代前半はエヴァのようなセカイ系から学園系あるいは日常系に方向転換してきた時代だった。そしてその走りとなったのがハルヒなのである。実際、ハルヒの大ヒット以降日常系のアニメがとても増えてきた。美少女キャラの表情にも変化が見えてきて、いわゆる線の細いタッチで描かれたクールなキャラよりも感情的に動くようなキャラクターが目立つようになった。*5

 

 

ハルヒの大ヒットの要因としては。

学園の中にSF要素を取り入れ、なおかつキャラクターたちがコミカルに動き素直に可愛いと思わせてくれる。物語の主人公「キョン」がやれやれ系で平凡な性格のどこにでもいる普通の人間がヒロインに振り回さられるという構成が当時のニーズにマッチしていたのが大きいのだろう。これはライトノベルのひとつの原型を作ったと言ってもいいくらいの功績だったりするのでは?

オタクな僕らがハルヒの夢中になったのは偶然なのではなく必然であったのだ。個々のエピソードに関しても今までの作品にはないほどキャラクターの動きが活発であったことも人気に繋がったのだろう。

 

だからこそ、いつか生きている時までに完結を見てみたいという気持ちがある。まだ物語の結末は僕は見ていない。多くの人間それを待ち望んでいる。気が向いた時にでも自分のペースで良いからいつかじっくりと終焉を見届けたいです。

 

 

 

 

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

 

 

*1:当時の深夜アニメでED全編通してキャラクターが躍っているアニメはきっとハルヒくらい

*2:スタッフクレジットでいつも目立つところに出てくる。我らのハルヒがこのアニメを作っていますということを意味したかったのかな

*3:実際にレコーディングした平野綾の表情を参考にしたらしい

*4:ニコニコ動画のおかげで長門、古泉のキャラソン知名度は特に高い。

*5:もちろん、長門有希のようなエヴァ綾波レイを意識したミステリアスなキャラクターも未だに多くいる。